扁桃炎ってどんな病気
のどの奥の左右にある扁桃に細菌やウイルスが感染すると、発熱やのどの痛みが出てきます。この状態を、急性扁桃炎といいます。
「のどが赤いね。」「扁桃炎ですね、抗生物質を出しておきましょう。」と言われ抗菌薬が処方されることがありますが、実際はその多くがウイルス感染によるものであり抗菌薬が 不要な場合もあります。
扁桃炎の原因と症状
扁桃炎を引き起こす原因は、扁桃への細菌やウイルス感染です。扁桃は、外から口を介して体内に侵入してくるウイルスや細菌から体を守る免疫機能の役割を担っています。ストレスやアレルギー、病気、気温の急激な変化などで免疫力が低下していると扁桃でウイルスや細菌が増殖して扁桃炎が起きやすくなります。
主な症状は
- のどの痛み、嚥下痛(飲み込む時に痛む)
- 発熱(38℃以上の高熱であることが多い)
- 耳の痛み
- 倦怠感(だるさ)
- 食欲不振
- 首のリンパ節の腫れ
などがあげられます。
一般的な風邪との違いは、「のどの痛みが強い」「鼻水や咳は少ない」ことです。
扁桃炎の治療
まず、扁桃の所見や経過からウイルスによる急性扁桃炎なのか細菌による急性扁桃炎なのかを推測しますが、血液検査やキット検査が必要になることもあります。
ウイルスによる扁桃炎である場合は、薬で症状を和らげる対症療法を行います。解熱剤、消炎鎮痛剤やうがい薬などが処方されます。基本的に内服薬での処方となりますが、のどの痛みが強い場合等で薬の服用が困難な場合には、坐薬を処方することもあります。
細菌性、特に溶連菌性扁桃炎である場合は、抗菌薬を5~10日間内服する必要があります。服用を途中で止めてしまうと、扁桃炎が治ってから2~3週間後に「リウマチ熱」「IgA血管炎」などの合併症を発症する可能性がありますので、処方された抗生物質は、最後までしっかり飲みきるようにしましょう。
抗菌薬は溶連菌など細菌が原因の場合のみ使用し、ウイルスが原因の場合には使用しません。
ご家庭で気を付けること
のどの痛みが強い場合、食欲が落ちますので、お子さんの好きなもので消化の良いものを与えましょう。また子どもは脱水になりやすいので、水分(水やお茶ではなく、経口補水液が推奨されます。)を十分に取ることを心がけましょう。
乳幼児期の子どもは、免疫力が十分に備わっておらず、扁桃炎にかかりやすいです。規則正しい生活や十分な睡眠、栄養のある食事をこころがけ、免疫力の低下を防ぎましょう。