熱性けいれんとは
熱性けいれんとは、主に1歳前後〜5歳位までのお子さんが38℃以上の高熱を発熱した際に起こる痙攣症状のことです(ただし、髄膜炎や脳炎、てんかんなどによる痙攣症状を除く)。
日本人の発症率は比較的高く、約5〜10%の子どもが発症すると言われています。
熱性けいれんの原因
熱性けいれんの主な原因は、風邪やインフルエンザ等の高熱を引き起こす感染症です。熱が上がっていく際に、脳の活動が上手くコントロールできず、痙攣を起こします。
熱性けいれんの症状
熱性けいれんの症状として以下が挙げられます。
- 意識がない
- 白目をむく
- 手足をガクガクと震わせる
- 全身をピンと突っ張らせる
多くの場合、痙攣は3分程度で終わりますが、⻑い場合は15分以上続くことがあります。
熱性けいれん時の受診判断(目安)
熱性けいれんの発症時に最も大切なのは「保護者が落ち着く、冷静さを保つこと」です。
お子さんが熱性けいれんを起こしたら次の事項をチェックしましょう。
- 熱性けいれん発症時のチェックポイント
- けいれんは何分間続いたか?
- けいれん時の動き(特に目の動きをしっかり見てください)
- 嘔吐や失禁があったか?
- けいれん後の様子(顔色や意識が戻ったタイミングなど)
上記を確認した上で、
緊急の対応が必要かどうか、以下のチェック項目を受診の判断基準としてご参考ください。
- 緊急
直ぐにかかりつけ又は救急センターへ連絡
- 痙攣が5分以上続く
- 痙攣に左右対称ではなく体の一部(局所的)に現れる
- 発熱後24時間以内に痙攣を再発するなど
- 通常
当日の午後診療又は翌日に受診する
- 痙攣が3分以内に収まった
- 痙攣の繰り返しはなかった
- 痙攣後30分〜1時間以内に意識が戻ったなど
熱性けいれん時の対応
- 周囲におもちゃや物など、障害物が置かれていないかを確認する
- 様子を観察する(観察するポイントは上記を参照)
- 体を揺する、頬を叩くなどの行為はしない
- 嘔吐をしそうな場合は、体位か顔を横向きにする
けいれん時は意識がないため、誤飲に繋がる可能性があります
熱性けいれんの治療
まずは、けいれんが起きた原因を検査や診察で探ります。原因が髄膜炎・脳症などの場合は、熱性けいれんではないため治療アプローチが異なります。
診察の結果、熱性けいれんと診断され、その後も数回の熱性けいれんを起こすような場合には、熱性けいれんの発症を抑える座薬等の使用を考慮します。
熱性けいれんに関するQ&A
- 熱性けいれんによって、後遺症が残ることはありませんか?
熱性けいれんによって後遺症が残ることはほとんどありません。
- 熱性けいれんをまた起こす可能性はありますか?
熱性けいれんを1回経験したお子さんが再び熱性けいれんを起こす可能性は約25%の確率であると言われています。。